『現是利益』の信仰では魂の救済にはならない…という物語

 彼は、現是利益のある祈りを信じていた。彼は、自分の欲望を満たすために、神仏に願い事をした。彼は、自分の幸せを求めるために、神仏にお布施をした。彼は、自分の成功を確かめるために、神仏に感謝をした。

彼は、現世で得られる利益や恵みがすべてだと思っていた。彼は、現世で得られる利益や恵みが神仏からの報いだと信じていた。彼は、現世で得られる利益や恵みが魂の救済だと錯覚していた。

彼は、金持ちになった。彼は、名声を得た。彼は、愛人を抱いた。彼は、すべてを手に入れた。

しかし、彼は満足しなかった。彼は不安になった。彼は孤独になった。彼は何もかもを失った。

彼は、金がなくなった。彼は、名声が落ちた。彼は、愛人に裏切られた。彼は、すべてを失った。

彼は、神仏に助けを求めた。彼は、神仏に許しを請うた。彼は、神仏に救いを願った。

しかし、神仏は応えなかった。神仏は赦さなかった。神仏は救わなかった。

彼は、神仏が自分を見捨てたと思った。彼は、神仏が自分の祈りを無視したと感じた。彼は、神仏が自分のお布施を拒否したと怒った。

彼は、神仏に対する信仰を失った。彼は、神仏に対する敬意を失った。彼は、神仏に対する憎しみを抱いた。

ある日、彼は死んだ。そこで初めて、彼は真実を知った。

現是利益のある祈りでは魂の救済にならないということを。

現是利益のある祈りでは魂の浄化にならないということを。

現是利益のある祈りでは魂の昇華にならないということを。