『延命十区観音経』読経の『霊験(不思議な御利益)』

 臨済宗の高僧『白隠禅師』(1686年~1769年)の著書に『延命十区観音経霊験記』があります。これは九州の大名に『白隠禅師』が書き与えたもので、3万2500字(400字詰め原稿用紙81枚)に及ぶ長文の手紙形式になっています。その中で、語られている霊験はおよそ次の通りです。

  『延命十区観音経』を読んだところ、重病人が治癒した。

  敵に捕らわれ、殺されんとしていた武将が、『延命十区観音経』を読むと、敵将の夢に観音が現れ『この武将を救いなさい』と諫めたため、難を逃れた(中国での出来事)。

  監禁状態から解放された。

  死んだのに生き返った。

  虚弱体質が改善した。

いずれのケースも『1000回』唱えた場合の霊験とされていますが、この中には『白隠禅師』が調査した範囲内で判明したものと、『師』自身の体験が含まれています。この『霊験』をどのように評価するのかが『延命十区観音経』を信じる際の最大のポイントです。私自身は、個々の事例を精査するのではなく漠然と『なんだかわからないけれど白隠さんが言っているのだから効くんだろう』程度に考えていればよいと思います。自分が試して(読経して)効果を確かめれば『霊験』があったか否かはおのずとわかるので、以上の内容は、『延命十区観音経』を読経するための『動機付け』と捉えればよいと思います。ちなみに『1000回』という回数も『数多く唱える』ことの重要性を説いたものであり、『999回では効果は全くなく』、『1000回唱えた瞬間に霊験が生じる』と考えることはいかがなものでしょうか?