『延命十区観音経』とは?

『延命十区観音経(えんめいじっくかんのんぎょう)』とは、中国大陸のウイグル地方で成立した『仏説高王観音経』と関係が深い『偽経(中央アジア由来のものではない経)』で、概ね6世紀頃の中国南北朝時代には完成していたようです。

古来から何度も唱えると『霊験(不思議な御利益)』があるとされ非常に人気が高く、臨済宗の中興の祖と言われている『白隠禅師』(1686年~1769年)も一般の檀家信徒に強く推奨していました。全文は以下の通り。

(原文)

観世音 [かんぜおん] 南無仏 [なむぶつ]
与仏有因 [よぶつういん] 与仏有縁 [よぶつうえん]
仏法僧縁 [ぶっぽうそうえん] 常楽我常 [じょうらくがじょう]
朝念観世音 [ちょうねんかんぜおん] 暮念観世音 [ぼねんかんぜおん]
念念従心起 [ねんねんじゅうしんき]  念念不離心 [ねんねんふりしん]

(口語訳)

観音様。
私は観音様を信じ観音様にすべてをおまかせします。
私は仏にさせていただく因と縁をいただいております。
仏の教えを信じまた教えをもとめていく人々とめぐりあえるおかげで、『常・楽・我・浄の観音様の四徳』が私の身にいただけますように。

わたしは、朝な朝な、夕べ夕べに観世音を念じます。この一念は私の心からではなく、私の心中に秘められている仏の心の願いでございます。

以上の、『延命十区観音経』を私が推奨する理由は、本来、座禅で悟りを開くべき禅宗の高僧『白隠禅師』が、『此の経の霊験、老僧が身の上に於ても心も言葉も及ばざる有りがた事ども数多たびこれあり』と語っているからです。ちなみに、単なる偶然か仏縁かはわかりませんが、私の実家は臨済宗の檀家であり、父の生家は『白隠禅師』が住職を務めていた『松蔭寺(場所:静岡県沼津市原)』のすぐ近くにありました。